My Story(八ヶ岳編)

■八ヶ岳編

 

八ヶ岳に移り住んでからは、昼間は日本庭園づくり。

夜は、プロモーション用のポスターやCDジャケット、ちらしなどのデザイン制作や、

プロモーション用ホームページ制作やネットショップもおこなった。

 

なぜ、日本庭園?

それは、社長の趣味だからだ。

日本庭園づくりは、想像を超える大変さだった。

朝5時に起床。それから近くの竹やぶに行き、竹を20本抜いてきて移植。

竹を抜いた経験がある方は少ないと思うので説明させてもらうが、

竹は普通の木々と異なり地下茎で繋がっていて、独立した木々ではない。

よって、地下の根が全部、他の竹と繋がっている。

 

竹一本に対して繋がっている太い根が約8本ある。

その根を一本一本切っていかないと抜くことはできない。

その太い根を一本切るだけで、ときには20分かかるときがある。

気が遠くなる作業だった。

 

その朝の日課が終わると、竹を移植し、その後庭造りがはじまる。

土留め用の石を探しに行き、持ってくる。

そして、石組みを始める。

セメントを作り、石を積んでいく。

 

ときには、通路の石張りをしたり、水路を作ったり、竹以外の植物も植えたりした。

夕方になると、もう気力が残っていなかった。

それでも、夜になるとパソコンでの仕事はやらなければいけなかった。

 

生活といえば、世捨て人のような生活だった。

標高1000mの360度森に囲まれているところに会社の雇用施設と仕事場がある。

よって、人と会うより、森の動物に会う方が多かった。

 

便利が当たり前の世界から遠のき、不便で自然と共存共栄する生活が続いた。

冬前になると、チェーンソーを持って森に入る。

倒れている木々を輪切りにして、軽トラックに積み込んで持ち帰る。

その輪切りにした木を斧で割り、薪にする。

日の当たりの良いところに干し、数ヶ月乾かす。

大量の薪をつくり、冬は薪ストーブにて暖を取る。

 

結果、森はきれいになり、陽が当たるようになり、植物が育つ。

これぞ自然との共存共栄。

 

また森の動物たちと、私たちは同じ森の住人なのだ。

鹿やいのしいにも家族がいる。

お互いを尊重しながら生きている。

 

この深い森の中にいると、人間至上主義の社会ではなく、

生き物すべてが、地球に住む住人という気がしてくる。

 

人もただの地球の住人の一部なのだ。

だからこそ、地球の生命すべてを尊重し、お互いに尊重しながら

生きていかなければいけないと思った。

日本庭園を造るとき、ルールがあった。

それは、”出来る限り、その土地のものを使うこと”。

その土地で生まれた生命は、その近くの場所には馴染むのである。

 

よって、私は森の中に生えている木で、元気のない木々を探す。

まるで、オーストラリアの牧場で、元気のない羊を探すように。

 

でも、八ヶ岳では、その元気がない木を抜き、その木が一番輝く場所へ

移植するのだ。

 

羊と一緒で、もしそのまま放置していたら、陽が当たらず枯れて死んでしまうだろう。

 

だから、せっかく生まれた生命を最大限に活かせる場所に移し、

そして手入れをしながら応援していく。

すると、半年後には、自信たっぷりの見事な植物に生まれ変わる。

まるで庭の中心的なキャストになったように。

 

そういう経験をしていくと、自分自身が、実は森の中に埋もれている植物なのではないか?

このまま、森の中で一生を終わらせてしまうのか?

もっと世のため、人のために、尽くせるのではないか?

 

そういう疑問が出て来た。

 

そうして歳月が過ぎていき、

その間に八ヶ岳FMのラジオ番組を作ったり、

スカパーの番組制作や

外注でマーケティングコンサルやコピーライティングを含めた

ホームページ制作などもおこなっていった。

 

 

そして八ヶ岳に住んでから16年が過ぎ去ろうとしていた。

そのころには、公園ほどの日本庭園が出来上がり、

自分自身のスキルとしても、

  • プロモーションデザイン
  • イメージ戦略
  • ホームページ制作やECショップ、SEO
  • 映像や音楽を使ったプロモーション
  • コピーライティング
  • 行動心理学、色彩心理学
  • マーケティング

などが身についていた。

また、庭造りや家も作ったので、

造園技術や大工も出来るようになっていた。

 

いよいよ、森の中に埋もれている私を

人のために尽くせる場所に移してあげる時期がきた。

 

実家に住む父母も高齢になってきたこともあり、

秩父に移り住みことになる。

 

高校を卒業して秩父を出てから27年ぶりの帰郷(Uターン)だった。

 

>>秩父編はこちら>>

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